那須川天心|日本格闘技界の光となるか?神童の経歴を振り返る

立ち技格闘技の一種であるキックボクシング。

世界的に見ると極めて競技人口が少ないマイナースポーツですが、日本ではかつてK-1が熱狂的なブームを巻き起こし、魔裟斗などスター選手も誕生しました。

その後は魔裟斗の引退とともに急激な衰退を見せ、世間の人々からはすっかり存在を忘れられていたキックボクシング。

しかし、魔裟斗の引退から10年近い月日が流れ、新たなスター選手が誕生しようとしています。

引用:http://www.knockout.co.jp/fighter/

那須川天心選手。

日本キックボクシング界においては歴代パウンド・フォー・パウンド最強と言われており、プロデビュー以来いまだ無敗。

キックボクシングの軽量級というのは極めて競技人口が少なく、世界最高峰の団体である「GLORY」でも階級は最小が65kg級。

そんなキックボクシング軽量級という競技の価値を高めるため、積極的にムエタイの強豪と対戦し、軒並み倒している…。

これは恐ろしい強さです。

今回はそんな那須川選手の

・プロフィール
・戦績
・経歴
・ファイトスタイルの特徴

について紹介したいと思います。

興味がある方は、ぜひ最後までお付き合いいただけたら幸いです。

那須川天心のプロフィール・戦績

 
 
 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

那須川天心さん(@tenshin.nasukawa)がシェアした投稿

氏名:那須川 天心 (なすかわ てんしん)

国籍:日本

出身地:千葉県

生年月日:1998年8月18日 

身長:162~165cm(表記はまちまち)

入場曲:矢沢永吉|止まらないHa~Ha

タイトル歴:

第6代RISEバンタム級王座
2015年BLADE-55kgトーナメント 優勝
ISKAオリエンタルルール世界バンタム級王座
RIZINキックトーナメント2017 優勝
初代RISE世界フェザー級王座

戦績(キックボクシング):26戦26勝(20KO)0敗

勝敗 対戦相手 試合結果 大会 開催年月日
ロッタン・ジットムアンノン
(Rodtang Jitmuangnon)
5R+延長1R 判定3-0 RISE 125 2018/6/17
中村優作 2R TKO RIZIN.10 2018/5/6

スアキム・シットソートーテーウ
(Suakim Sit.Sor.Thor.Taew)

5R 判定3-0 KNOCK OUT FIRST IMPACT 2018/2/12
藤田大和 1R TKO RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 Final ROUND
【RIZIN KICK ワンナイトトーナメント 決勝】
2017/12/31
浜本”キャット”雄大 2R KO RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 Final ROUND
【RIZIN KICK ワンナイトトーナメント 準決勝】
2017/12/31
イグナシオ・カプロンチ
(Ignacio Capllonch)
3R KO RISE 121 2017/11/23
ウィサンレック・MEIBUKAI
(Visanlek Meibukai)
3R  TKO KNOCK OUT vol.4 2017/8/20
ライアン・シェーハン
( Ryan Sheehan)
1R KO RISE 117
【ISKAオリエンタルルール世界バンタム級タイトルマッチ】

2017/5/20

アムナット・ルエンロン
(Amnat Ruenroeng)
4R KO KNOCK OUT vol.1 2017/2/12
ワンチャローン・PK・センチャイムエタイジム
(Wanchalong PK.Saenchai)
1R TKO KNOCK OUT vol.0 2016/12/5
村越優汰 5R 判定2-0 RISE 113
【RISEバンタム級タイトルマッチ】
2016/9/25
リン・ビン
(Lin Bin)
1R  KO KUNLUN FIGHT 49×REBELS.45 2016/8/7
タリック・トッツ
(Tarek Totts)
2R KO RISE 111 2016/5/29
フレッド・コルデイロ
(Fred Cordeiro)
5R 判定3-0 RISE 110
【ISKAオリエンタルルール世界バンタム級王座決定戦】
2016/3/26
宮元啓介 2R KO NO KICK NO LIFE 2016 2016/3/12
マノリス・カリシス
(Manolis Kalistis)
3R 判定3-0 RISE 109 2016/1/31
マイク・アラモス
(Mike Alamos)
1R KO RISE 108 2015/11/8
内藤大樹 1R KO BLADE.2
【BLADE FC JAPAN CUP -55kgトーナメント2015 決勝】
2015/8/1
小笠原裕典 3R KO BLADE.2
【BLADE FC JAPAN CUP -55kgトーナメント2015 準決勝】
2015/8/1
鈴木真彦 1R KO BLADE.2
【BLADE FC JAPAN CUP -55kgトーナメント2015 1回戦】
2015/8/1
村越優汰 2R TKO RISE 105
【RISEバンタム級タイトルマッチ】
2015/5/31
藤本昌大 1R KO RISE 104 2015/3/21
キム・ジンミン
(Kim Jin Min)
1R KO BLADE 1-BLADE FIGHTING CHAMPIONSHIP-BLADE FC JAPAN -61kg 2014/12/29
九島亮 3R 判定3-0 RISE 102 2014/11/16
アレクサンドロ・ヒデオ
(Aleksandro Hideo)
1R  KO RISE 101 2014/9/28
有松朝 1R KO RISE 100〜BLADE 0〜 2014/7/12

那須川天心の経歴

 
 
 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

那須川天心さん(@tenshin.nasukawa)がシェアした投稿

キックボクシングでプロデビュー後はいまだ無敗の那須川天心選手。

PFPでは日本人歴代最強との呼び声も高い彼ですが、一体その強さはどのようにして培われたのでしょうか。

那須川選手の経歴を追ってみましょう。

出生

1998年に千葉県にて生誕。

那須川天心という名前は非常に珍しいですが、これは本名で、父の弘幸氏によって命名されました。

「天に心を持つ。天のような大きな心を持ち、感謝の気持ちを忘れない人間になってほしい」との願いが込められているそうです。

幼少期の天心選手は弱虫であり、それを克服するために父がすすめたものが極真空手だったとの事で、これが天心選手の格闘家としてのキャリアスタートになります。

極真空手での活躍

幼少期から非常に小柄な体格だった那須川選手。

小学校低学年では無差別級で試合が行われていたため、大柄な相手に苦戦する事も多かったようです。

特に当時のライバルであった南原健太選手には負け越していました。

しかし小学4年生で行われた全国大会決勝では南原選手にリベンジを成功し、全国優勝を果たしました。

その後小学6年生の時にK-1を観た事で魔裟斗選手に憧れ、キックボクシングへの転向を決意します。

アマチュアキックボクシングでの大活躍

キックボクシングに転向した那須川選手はすぐさま頭角を現します。

同世代の有力選手(平本蓮、西京春馬、伊藤紗弥、隼也ウィラサクレックなど)らとの対戦を重ね、キックボクシングとムエタイのアマチュアタイトルを総なめにします。

ちなみにアマチュアキックボクシングでの総戦績は105戦99勝5敗1分37KO。

露骨なホームタウンディシジョンが多いアマチュア格闘技において、この戦績は世界的に見ても驚異なもので、比較出来るのはチンギス・アラゾフ選手などでしょうか(197勝3敗117KO)。

アマチュアキックで最強の称号を手にした那須川選手は、高校一年生の時にRISEにてプロデビューを果たします。

16歳でRISE王座戴冠

プロデビューしてわずか6戦目。

16歳の時に挑んだRISEバンタム級タイトルマッチ、対戦相手は現在の新生K-1王者「村越 優汰」選手です。

公式にアップロードされている動画がコチラ。

見ての通り、まだ年齢相応に発展途上な体つきの那須川選手ですが、パンチの正確さとスピードで村越選手を圧倒。

まさにフルボッコです。

このように、16歳の時点で国内には敵なしのレベルに到達していました。

BLADEトーナメント優勝

RISE王者となった那須川選手。

その直後にBLADE FIGHTING CHAMPIONSHIP-55kgトーナメントに臨むことになりました。

BLADEはR.I.S.E.、REBELS、ビッグバンの3団体が合同で行ったイベントで、非K-1では最高レベルの選手たちが集結。

しかしながら、このトーナメントで那須川選手は「鈴木真彦・小笠原裕典・内藤大樹 」という国内トップファイターを全員KOで沈め、ほぼ無傷で優勝を果たしました。

ちなみにこの頃から新生K-1の武尊選手との対戦を熱望していましたが、K-1サイドは徹底した無視を続け、さらに武尊は対戦する可能性があったRIZINからも撤退。

那須川選手の台頭と同時にRIZINから撤退した武尊選手。これが「武尊が那須川から逃げている」と言われている一番の理由でしょう。

ワンチャローンを失神KO

18歳で迎えた大一番。

那須川天心vsワンチャローン・PKセンチャイジム。KNOCK OUTの旗揚げ大会でマッチメークされた一戦です。

ワンチャローンは当時ルンピニー・スタジアムの現役スーパーフライ級王者で、さらに那須川選手はプロで初となる肘ありルールでの対戦。

試合前はワンチャローン有利の声も多かったですが、結果は予想を裏切り1Rで失神KO勝利。

この試合を機に、国内での那須川選手の評価は格段に上がる事になりました。

総合格闘技デビュー

キックボクシングにおいて無敵の存在になりつつあった那須川選手。

しかし、マイナースポーツなために知名度はなかなか上がりませんでした。

そこで那須川選手はキックボクシングの知名度を高めるため、地上波で放送されているRIZINに参加し、総合格闘技(MMA)の試合に出場する決意をします。

そして専門ではないMMAにおいても4戦4勝の戦績。

もちろん対戦相手は強豪ではありませんが、この挑戦により那須川選手の知名度は高まり、キックボクシングに対する注目を集めることにも成功しました。

スアキムとの死闘

ルンピニー王者であるワンチャローンを下したことでタイ王国から脅威と認識された那須川選手。タイからさらなる強豪が送り込まれました。

スアキム・シットソートーテーウ。ルンピニースタジアムの元スーパーバンタム級王者で、現在は同階級で敵がいないため適正より上の階級で試合を行っている猛者。

那須川選手にとって過去最強の敵でしたが、キックボクシング特有のフットワークを駆使して苦戦の上に判定勝利。

スアキムも噂に違わぬ実力を見せ、白熱した名勝負になりました。

新生K-1からの訴訟

以前から新生K-1の武尊選手との対戦を希望していた那須川選手。

前述したようにK-1は那須川選手の台頭と同時にRIZINから撤退し、徹底したダンマリを継続。その後は武尊選手に対して、ネット上で「逃げるな」という声が渦巻いていました。

そしてついに、新生K-1サイドから決定的な行動が。なんとRIZINと那須川選手に対して民事訴訟を起こしたのです。

武尊や新生K-1に対する誹謗中傷の元を作ったとし、営業妨害したとの主張。1.4億円の損害賠償を請求しました。

格闘技が始まって以来、世界でも前代未聞の珍事なので、もちろん判例はありません。

しかし、個人的にはこれは大悪手な気が……。「K-1はスポーツではない」と公言しているようなものですから。

続報が気になりますね。

ロッタンとの世紀の一戦

那須川選手のキャリアで最大の試練となった一戦です。

那須川天心vsロッタン・ジットムアンノン。

ロッタン選手は超アグレッシブな破壊型のファイターで、那須川選手の攻撃がヒットしても構わず前に出続けました。

徐々に消耗させられた那須川選手はプレッシャーで後ろに下がり、さらにミドルキックでダメージを負わされます。

結果は本戦判定までもつれ込み、ジャッジ1名がロッタン選手を支持するも、その他2名はドローの採点。延長戦で那須川選手の判定勝利となりました。

ちなみに試合後那須川選手は「試合で勝って勝負に負けた」と発言しており、ロッタン選手との再戦を希望しています。

キックボクシング軽量級においては間違いなく史上最高レベルの試合だったと思います。

堀口恭司との対戦

2018年9月30日に行われるRIZIN.13。

この試合では日本総合格闘技界の歴代PFPと評される事の多い堀口恭司選手との対戦が決定しています。

キックボクシングルールで58kg契約。

大注目の一戦ですね。

那須川天心の強さの秘密と懸念事項

 
 
 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

那須川天心さん(@tenshin.nasukawa)がシェアした投稿

26戦26勝(20KO)0敗という驚異の戦績を誇る那須川選手。

踏み込みとパンチのスピードは超一級品で、フェイントなどの技術力も最高レベル。

全く欠点がないコンプリートファイターで、決してパワーがあるわけではありませんが恐るべきKO率を誇ります。

今後の懸念事項をただ一つあげるとすれば、それは体重に関する事ですかね。

通常体重が60kg前後とかなり小柄な選手。

試合のウエイトは55、最近では58前後で行っていますね。

キックボクサーは通常であれば7~10kg程度の減量をするため、試合時の体重では那須川選手はかなり不利な条件なのです。

個人的に、前回のロッタン戦で苦戦した最大の原因はこの「体重が軽い事によるパワー不足」だと思っており、今後思わぬ形で苦戦を強いられるかもしれませんね。

まとめ

以上、那須川選手についてご紹介いたしました。

キックボクシング軽量級で紛れもなく最強の選手であり、格闘技界を背負う覚悟を持った若きスター。

那須川選手らの活躍により、低迷していた日本の格闘技人気も徐々に再燃しつつあります。

RIZINも低視聴率ながら地上波放送を継続し、また那須川選手もAbemaなどで取り扱われることが増え、知名度も増しています。

かつてK-1やPRIDEが熱狂的なブームを巻き起こしていた時代から10年。

再興に期待したいですね!

シェアする

関連記事