武尊はなぜ那須川天心を避けるのか?両者の目的の違いを整理

こんにちは。ワンだふるblogです。

最近キックボクシングが盛り上がっていますね。

新生K-1では人気選手が増えてきているし、RISEに関しても世界タイトルの新設が決定しています。旧K-1時代のような熱狂的な人気にはまだ遠いですが、徐々に世間にも浸透してきている印象です。

そして現在のキックボクシングを語るにあたり、避けては通れない話題があります。

那須川天心 vs 武尊

です。

以前から二人の対戦を望む声は多く、その経緯などはブログやYoutubeで検索すればたくさん出てくると思います。

対戦を望む那須川天心に対し、一貫して沈黙を続ける武尊・K-1サイド。

あまりにも話に進展がないため、格闘技ファンからは対戦を避けている武尊・K-1サイドに対する怒りが蓄積しており、ネット上ではニゲル」「ビビる」「ちびる」などと呼ばれてしまう始末。

ちなみに「武尊・K-1サイドは逃げていない」という声もありますが、これは言語両断でしょう。武尊選手が以前と同じようにRIZINに参戦していれば、両者の対戦はとっくに実現しています。

言い分はどうあれ、武尊「K-1サイド」が那須川天心との対戦を避けているのは紛れもない事実。逃げていると言われても仕方がない状況です。

さて、世間一般で武尊は逃げていると認識されていますが、しかしそもそもなぜそのような行動をとっているのでしょうか?

私はこの現状、ごく当たり前だと思っています。

なぜなら「那須川天心サイド」と「武尊サイド」では、目的に大きな違いがあるからです。それぞれの目的については、二人ともきちんと明言しています。

今回はそんな両者の立場を整理し、なぜ那須川天心vs武尊が実現しないか、またなぜ武尊が避け続けるのかを考察したいと思います。

那須川天心:世界最強とキックボクシング界の発展を望む

まずは那須川天心サイドから見ていきましょう。

彼の戦績を見ても、KNOCK OUTやRISEにおいては紛れもない世界最強クラスの相手と対戦してきており、さらには無敗を誇っています。

彼の行動の大きな特徴として、純粋に世界最強を追及している点が挙げられます。

これまで当ブログでも何度か述べているように、キックボクシングの軽量級というのはまだまだ世界的なスポーツではありません。

ボクシングの場合でも、軽量級は日本人の活躍の場ですが、それに加え東南アジアなどにも強豪選手がいます。

対してキックボクシングの場合、競技をしているのはほとんど日本と一部のヨーロッパの選手に限られており、さらにヨーロッパ人は骨格が大きいため軽量級の選手が極めて少ないのです。いたとしてもプロ選手は限りなく無に近い状況。

世界最高峰のキックボクシング団体「GLORY」でも、階級は65kgが最軽量。女子ですら53kg級です。要するに、那須川天心や武居由樹は女子部門に参加してもおかしくない扱いなんです。

上記の事から、キックボクシング軽量級は実質的に日本国内に限定されたスポーツといっても過言ではないでしょう。新生K-1のトーナメントで毎回「準決勝に進出したのは全員日本人!!」というのも当然なのです。

しかし、そんな世界的に見て非常にレベルが低い軽量級のキックボクシングですが、飛躍的に競技水準を向上させる手段があります。

それがムエタイの強豪選手を参戦させることです。

ムエタイはタイの国技で、まあ日本でいう相撲のようなものだと思って下さい。もともと実践のために発展した武道で、立ち技格闘技では世界最強とも言われています。

そんなムエタイの軽量級は「神の階級」といわれ、タイ人以外はほとんど通用しないほど層が厚いのです。

※ちなみに「神の階級」と大げさな表現をされていますが、要はタイ人も身体が小さい人が多いので、軽量級に競技人口が集中しているというだけの話です。

ここまで話せば、那須川天心の行動が分かってくるのではないでしょうか。

ワンチャローンやスアキムといったタイの強豪を立て続けに撃破している那須川選手。

これは一石二鳥のマッチメークで、自身が最強であるというステータスに近づくとともに、強豪ムエタイ選手をキックボクシング界に招致することで、キックボクシング軽量級のレベル向上も果たしているのです。

「最強を目指す」「キックボクシングを発展させたい」という那須川天心選手の発言と行動がマッチしていますね。

ちなみに「MMAでは噛ませ犬としか対戦していない」という声も上がっていますが、私からすると極めて馬鹿らしい意見だと思っています。

那須川選手がRIZINに参加した理由は、「自分という存在を世間に認知させ、キックボクシングに注目を集める事」でしょう。

少し考えれば分かる事です。別にMMAを本格的にやりたいわけではないはず。

注目を集められ、さらにRIZINでキックルールの試合を開催してもらえるようになった今、MMAをするメリットなど何もないのです。これは当たり前の事です。

武尊:K-1の再興と、とにかくスターになりたい

続いて武尊選手の発言や行動を見ていきましょう。

那須川選手と比較し、とにかくK-1の中での活動に限局している武尊選手。

以前RIZINでキックルールで出場し、無名の中国人と対戦しましたが、那須川選手がRIZINに参戦してからは姿を消しました。

武尊選手のキャリアを見ても、とにかくパッとしない選手との対戦が多い印象です。

対日本人には無類の強さを誇り、実力の高さは間違いないと思いますが、しかし強豪タイ人との対戦は皆無。

以前ビクトー・サラビアという選手とスーパーファイトで戦ったのですが、この選手はプロでのキャリアは浅く、しかも一階級下の選手。

この試合は途中ローブローがあり一時中断。その後武尊がKO勝利をおさめ、「奇跡の大逆転」と盛大に煽り反響を呼んだ試合ですが、これは正直な話勝って当たり前の試合なのです。

事実ビクトー・サラビアは、のちに武居選手に手も足も出ずKO負けしています。

ここまで読まれた方は、さも私が武尊サイドを非難している印象を持たれたかと思います。しかしそうではありません。

前述したビクトー・サラビア戦ですが、この試合のYoutube動画は400万近い再生回数を誇り、2017年のK-1ベストバウトにも選出されています。

そう、つまり興行的には大成功の試合だったのです。

そしてこれこそが、武尊とK-1が目指している事なのです。

武尊は以前より「スーパースターになりたい」と話しており、気軽に道を歩けなくなるような知名度を望んでいます。そう、別に世界最強になりたいわけではないのです。

さらに武尊が惚れ込んだK-1も、現在ではプロレス的な要素が強く、立ち技最強を決定する旧K-1にはほど遠い団体。それほどの財力もありません。

マッチメークを見ても、「最強を決定する」という目的よりも、「いかに格闘技に詳しくないライト層にウケるか」を最優先に考えており、現在ではある程度成功したと言えるでしょう。

ちなみに私も、この考えはあながち間違いではないと思います。

興行なので、収益がなければもちろん継続は困難です。

収益が増えれば、よりよいマッチメークが組めるという好循環が生まれます。

要するに、「いかにギャラが安くかませ犬の外国人を強豪に仕立て上げるか」というのが非常に重要になります。

商売でも本質的には同じですよね。原価が安いものをいかに高く売るか。まあ、そんなところです。

本題:武尊にとって那須川天心と戦うメリットが少ない

ここまで読まれた方には、なぜ武尊・K-1サイドが那須川天心との試合を避けるのかがお分かりになったかと思います。

①負ける可能性が高すぎる
②負けた場合、K-1ブランド価値が下がり、今後の興行に支障が出る
③そもそもビクトーサラビアのような噛ませ犬との対戦でも、ライト層にはウケる

まとめると上記の三点ですね。

まず①ですが、さすがに両者では技術レベルに差がありすぎます。武尊選手に勝算があるとすれば、それは体格差だけでしょう。熱心に交渉し、60キロ契約で対戦すれば武尊選手にも勝機はあります。ただ、これだと誰も納得しないでしょうね。

次に②ですが、これは結構致命的です。格闘技ファンは「負けても武尊の価値は下がらない。挑戦しない方が恥ずかしい」と声をそろえていますが、ライト層はそうはいかないものなんです。世の中というのは、そういうものなんです。武尊選手に対するテレビ出演などの依頼は激減するでしょう。

③も大きな問題ですよね。ビクトー・サラビアのような低レベルな選手を倒しても、煽り方次第ではライト層のファンは盛り上がるのです。それなのになぜ、那須川選手や強豪タイ人と戦わなければならないのでしょうか?経営者サイドから見れば、あり得ない話だと思います。

9000円の物を10000円で売るか、100円の物を10000円で売るか。要はそういう事です。

まとめ

いかがでしたか?

冷静に考えれば、武尊・K-1サイドが対戦を避けるのはごく当然だと思います。

しかし、対戦を避ける事に意外なデメリットもあります。

それは

純粋な格闘技ファンの反感を買う

という事です。

新生K-1の主な視聴者は格闘技の知識が少ない若者が多く、彼らを巧みに騙すのは他愛も無い事でしょう。しかし、格闘技ファンはこういった事に極めて敏感です。

彼らの怒りを買う事で、今後の興行の発展に支障が出る・・・なんてことも十分に考えられます。

さて、ここまでさも両者の対戦が実現しないと主張してきた私ですが、案外そのうちポッと決まるのではないかとも思っています。

理由はきわめて単純で、

マッチメークするメリット>武尊が負けるデメリット

になればすぐさま決定するでしょう。

冷酷な話ですが、K-1サイドから見て武尊の商品価値がなくなれば、試合は組まれます。

そして、その時はそれほど遠くはないと思っています。

私はそのために「武居由樹」や「平本蓮」といった選手たちをごり押しすることで看板選手を増やし、武尊の商品価値が下がった時の保険にしているだと考えています。いわゆる「リスクヘッジ」というやつですね。

ここまで書いた私ですが、本当は新生K-1も大好きなんですよ。

ただ最近はあまりにもプロレス色が強くなりすぎて、ちょっと…とも思っています。

さすがに世界トーナメントに芦澤竜誠を参加させてはダメでしょう。これは格闘技団体として、一線を越えてしまった印象です。

こんなわけで、格闘技のファンであり、新生K-1も好きな私。

那須川天心と武尊の試合はいずれ組まれると思いますが、

できるだけ旬の内に!!

これだけは願いますね。

それでは今回はここまで。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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